■有効ビット数(Effective number of bits、ENOB)
アナログディジタルコンバータ及びそれと関係する回路のダイナミックレンジの尺度です。
原理的にはNビット信号に対して2N 信号レベルを与えます。
CDの場合16bitですが、下位bitをクリアすることにより、有効bit数を変えることができます。
例えば有効bit数=7にしたい場合、1011 1111 1100 1101の下位9bitをクリアして1011 1110 0000 0000とします。
このようにして実際の音楽信号の有効bit数を7にした場合の差信号を図1の黒線で示します。
-40dB付近で平坦な特性となり、それ以下の情報は削除されていることが分かります。
このように有効bit数を単純に上位からのbit数とすると、音楽情報のレベルが小さくなると
等価的に有効bit数は小さくなります。
忠実度を単純に有効bit数と考え、忠実度=99%だから有効bit数は7bitね、とすると黒線となります。
この条件で音の違いが分かるので、俺は忠実度99%の違いが分かると言う方がいますが大間違いです。
■真有効ビット数
音楽信号の場合そのレベルは変動するので、忠実度を議論する場合、
有効bit数は使えないことは分かっていただけましたでしょか?
そこで、音楽信号のレベルに対して有効にする位置を可変する真有効bit数をもちいます。
例えば真有効bit数を7にしたい場合、0000 1011 1100 1101の5bit目から6bit分を有効とし、0000 1011 1100 0000。
(ここで有効化しているのは6bitですが、サインbitを追加することにより真有効bit数は7となります)
このように真有効bit数=7とした結果を図1の青線で示します。
差信号は音楽のレベルに対し-40dB付近にあり、忠実度約99%ということが分かります。
■サンプル音源
真有効bit数、有効bit数の違いによるサンプル音源を用意しました。
元音源、真有効bit数が5、6、7、8bit、有効bit数7bitで順番はランダムです。
実際の音の違いを体験してみてください。