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差測定による、アンプなどの音の違い


 アンプで音が変わる、は数十年に渡りオーディオでは常識とされていました。
しかし、ブラインドでの実績ゼロ、忠実度などの測定を通じ、性能の良いアンプ間では音は変わらないのが事実です。
アンプ間の音の違いは心理効果によるもので、オーディオ雑誌、評論家などによる洗脳に大きく依存します。

 「性能の良いアンプ間では音は変わらない」は客観的考察で明らかなのですが、相も変わらず音が変わると言い張る人たちがいます。
これは、実際に音が変わらないという実体験ができないからだと思われます。
ブラインドを試せばすぐ音が変わらないと分かるのですが、怖いからかブラインドを試す人はほとんどいません。
特にアンプの場合、両アンプの利得を厳密に合わせるとか、様々な状況を考慮しなければならず、ハードルがより高くなります。

そこで、もっと簡単にアンプの音の違いが無いことを体験できないかと考え図1の評価システムにより測定しました。
評価システムの動作確認をする場合はLとRに同じアンプを使います。これはすでに紹介しました。
今回は本来の目的のために、LRで異なるアンプを使います。



アンプAとアンプBを同じアンプとした場合、スピーカ出力AとBの電気波形は全く同じとなり
その差を測定すれば無信号、すなわち無音になるはずです。
しかし、世の中には完ぺきに同じものは存在しないので、アンプAとアンプBに少しでも違いがあれば差信号が生じます。
この差信号の大きさ、周波数スペクトラムなどを評価すれば、人間の聴力で両者の音の違いが分かるか明らかになリます。
両者の信号が99%以上同じであれば、両者の音の違いは人間の聴力では分かりません。 (詳細はこちら)
したがって両者の差が-40dB以下かどうかが一つの目安となります。

●測定方法
@異なるアンプ(ここではヤマハAX-590、デノンPMA-390)を準備します。
A図1を構成します。
  アッテネータAは差信号を最小化するための微調整用です、無くてもかまいません。
BアッテネータAのボリューム1kΩを中点に設定します。
C音楽を再生し、まずAX-590のボリュームで適当な音量値(いつも聴くボリュームの位置)に設定します。
DPMA-390のボリュームを上げていくと、差信号が小さくなり、さらに上げるとまた大きくなります。
 一番差信号が小さくなる点(イヤホンの音が最小になる点)にPMA-390のボリュームを設定します。
EさらにアッテネータAのボリューム1kΩを調整し、差信号が最小になる点にします。

●結果
結果を以下に示します。



結果は赤線で差信号は-30〜-40dB以下です。
実際に結果の音源を聴いてみてください。
時々音が小さくなる場所が差信号の場所で、両アンプの音の差を示します。
経験上ではこの差信号が-30dB以下であれば両者の音の違いを判別できません。
ましてや心理効果によるポエムの差など両者のアンプでは存在しません。

なお、上記音源のスペクトラムを見ると低音側で大きくなっています。
これは両アンプの低域側の周波数応答特性が0.数dB異なっているためで、
解析などによりこの両アンプの周波数応答特性の差を補正すれば、差信号はさらに小さくなります。

▲このように異なるアンプの実際の音の違いは本方法で確認できます。
さらにADCを持っていない方、またスキルがなく、測定が困難な方は図1において
100円ショップのイヤホンを使えば非常に簡単に両アンプの音の違いを体験できます。

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